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地方文化を見直せ【日刊ナガオカ】

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竹下玲子と小林ハルとの共演

地方文化を見直せ【日刊ナガオカ】

 先に我々の瞽女唄普及活動に新聞社の力が大きく働いたことを書いた。
 ここに「日刊ナガオカ」1988年4月23日付の記事を掲載したい。これは、演劇鑑賞団体「長岡市民劇場」が主催して行われた、瞽女唄リサイタルをメインとしたプレイベントを含む連続公演企画である。
 記事のメインタイトルは「地方文化を見直せ」である。連続公演の内容がよくわかる良い記事なので全文を引用させていただく。

地方文化を見直せ
講演会→ごぜ唄→"おりん"
市民劇場が一連の"ごぜ"企画

 越後瞽女(ごぜ)唄のただ一人の後継者竹下玲子さんの『瞽女唄を聴く会』が、長岡市と見附市で開かれる。これは「長岡市民劇場」と「長岡朗読を楽しむ会」が共催するもので(後援長岡市、市教委)、その開催スタイルのユニークさなどから、早くも街の活題になり始めている。
 二十九年の歴史をもつ非営利の演劇鑑賞団体「長岡市民劇場」(会員千七百人)は、定例の演劇鑑賞のほかに、毎年市民に開かれた形で文化講演会や朗読会を催してきたが、今回は六月例会で有馬稲子主演の『はなれ瞽女おりん』(水上勉作、木村光一演出)をとりあげることもあって、この会を計画したという。
 この会のユニークさは単に瞽女唄を聴くだけでなく、事前に瞽女に関する講演会を計画していること。『瞽女の修業と生活』(科学博物館長・鈴木昭英氏)『瞽女唄−地方発信の文化を求めて』(放送作家・若林一郎氏)と、二回の勉強会を開き、地方文化の大切な伝承者でありながら、現在では全く忘れ去られようとしている「越後瞽女」を再認識し、あわせて地方文化のあり方を考えあおうという試みだ。
 越後を中心とした瞽女は明治期には長岡の山本ゴイ配下だけでも四百人を下らなかったといわれ、文化の伝承、娯楽の提供者として、地方文化形成に多くの貢献をしたというが、戦後、生活様式の急変から省りみられなくなり、瞽女の存在すら知らない層が大部分となった。その掘り起こしの一助にと、主催の「長岡市民劇場」では市民に呼びかけている。
 また、瞽女唄をうたう竹下玲子さんは音大でオペラ歌手をめざして勉強中、無形文化財で「最後の瞽女」といわれる小林ハルさんの芸に魅せられて師事。現在ではただ一人の後継伝承者として、「文化の伝承拠点として町々に瞽女宿のネットワークを!」との泡負をもって精力的な公演括動を続けている。
 なお一連の催しの日程は次のとおり。
・講演会『瞽女と生活―長岡瞽女を中心に』(五月六日(金)午後七時、中央公民館大ホール。定員百六十人)、『瞽女唄―地方発信の文化を求めて』(五月十三日(金)午後七時、中央公民館401教室、定員九十人)
・竹下玲子「瞽女唄リサイタル』(長岡会場=五月二十一日(土)午後七時、中央公民館大ホール、会員券七百円)。見附市では五月二十日(金)の予定だが会場、会費は未定。
詳細は「長岡市民劇場」事務局(城内町二、高木時計ビル三F)、TEL35−九五三八。事務局はウイークデーの午後開局。

 実は、こうした内容の記事が複数の新聞社により紙上に大きく掲載された。4月24日付で、新潟日報では「消すな瞽女唄 長岡で催し続々」、同日、長岡朝日では「瞽女さが来たすけ唄、聴きにきてくらっしゃい」とある。こうしたマスコミの援助もあって、当企画は大盛況となり、ひいては、瞽女唄ネットワークの設立、竹下玲子氏による県下各地での毎年会場に溢れんばかりの瞽女唄公演の成功へと結実し、瞽女唄は広く県下に普及していくのである。

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