雑誌「へんなか」−雪国の文化を語る−は、小国町の文化・地誌・歴史に特化した極めて特異な「小国芸術村」現地友の会の機関誌である。既にその発行の趣旨は述べたが、その特色は小国町に特化しているという事だけではない。毎号、掲載されるテーマのエキスパートである町民の座談会であり、町民のエッセイなど、この雑誌には小国町町民の声に溢れている点にある。都会に根を置く雑誌社には、絶対に真似のできない特異性を持ち、全国に小国町に生きる・生きてきた町民の過去・現在・未来を発信しようという心意気が素晴らしい。座談会は、小国の古老の言から小中学生の発言まで幅が広い。さらに、この種の雑誌では珍しいのではないかと思うのだが、第八号「特集 八石山」一千部、第一号「特集 小国和紙」に至っては二千部という発行部数は、内内の同人雑誌の域を大きく超えている。そして、第二号「特集 瞽女の旅」は五百部の増刷、現在では売り切れで入手できない号が多い。
このような雑誌を三号で終わらせることなく、十年間二十一号も発行し続けた編集子に敬意を表したい。
以下に、創刊号ではあるが、奥付を引用させて頂き、各巻の特集名を列記しておく。
また、創刊号に掲載された次の文章も現地友の会を知る上で参考になるので、ぜひお読みいただきたい。
■小国芸術村からの私信(若林一郎/著)
■「小国芸術村」現地友の会入会のお誘い
「へんなか」−雪国の文化を語る− 創刊号
定価 六〇〇円
一九八八年四月十五日発行
編集 「へんなか」編集委員会
若林一郎 山崎正治 高橋実
片桐三郎 広田忠俊 峰村克夫
発行者 山崎 正治
発行 新潟県刈羽郡小国町上岩田五二四
高橋 実方
「小国芸術村」現地友の会
<各巻の特集>