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小林ハルの弟子、竹下玲子の瞽女唄との最初の出会いはいつ?

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竹下玲子と小林ハルとの共演

小林ハルの弟子、竹下玲子の瞽女唄との最初の出会いはいつ?

 先にウィキペディアから引用した以下の文章、「声優の山内雅人の誘いを受け、同年11月、東京開催された「瞽女文学の夕べ」でハルは『明石御前』を披露した。この頃からハルは数多くの取材を受けることになる。「瞽女文学の夕べ」はハルに新たな弟子ももたらした。公演を鑑賞した放送作家の若林一郎から弟子入りを志望する3人の女性を紹介されたのである。最終的には3人のうち竹下玲子だけが残った。」とあるが、このソースは、『小林ハル光を求めた一〇五歳 最後の瞽女』(小林ハル(語り)、川野楠己(構成))となっている。
 しかし、ここで記されている放送作家の若林一郎が書いた『瞽女唄伝承』(ふるさと企画・1992年8月1日発行)には、このことについて次のように書かれてある。
 「あれは、昭和五十二年六月のことだった。
 ぼくの友人の山内雅人君から、彼の主宰する「話芸小劇場」が、芸術祭参加の公演をするという知らせをもらった。
 なんでも、瞽女の語りものを朗読劇に仕立てて上演するどいう。ほんものの瞽女さんも新潟から連れてきて、特別出演してもらうとのことだった。
 たいして期待もせず、面白半分に聞きにいった。
 どうせ盲目の老女が、あわれげな声で唄うのだろうと思っていた。「哀愁のロマン」とか「滅びゆく唄声」とかいう、マスコミのつくりあげたレッテルに、ぼくも惑わされていたのだ。それでも、
「珍しいものだから、聞いてみたら?」
 と、そのころぼくが関係していた「こんにゃく座」というオペラの劇団の研究生も何人か誘った。飲み友達の講談の小金井芦州さんも来るはずだったから、帰りにみんなで一杯やるつもりだった。
 会場は新宿の大鳥神社から、明治通りを少し行ったところにあるホールだった。
 ベルが鳴って幕が開くと、舞台にはお手製の裃をつけた山内君とそのメンバーがずらりと居並んでいる。そして、上手の端に、小柄な老女が座っていた。
 おや、とぼくが思ったのは、その老女の周囲だけに、まったく異質のムードが漂っていたからだ。盲目のみじめさなどはみじんもなく、凛とはりつめた気品があった。
 祭文松坂の「明石御前(あかしごぜん)」の最初と最後の部分を彼女が語り、全体のストーリーを山内君たちが群読で聞かせるという構成だった。
  古き文句に候えど 播磨軍記と世に残す
  明石騒動のそのうちに お菊殺しの物語
 三味線を弾き語りする老女の声が、朗々と会場を満たして響き渡ったとき、ほとんど戦慄といっていいような驚きがぼくを襲った。
 そこには人間の存在のすべてをかけた肉声があった。」(P.32-33)
 可能性としては、次の3通りある。1.小林ハルの記憶違い(又は川野の構成ミス)、2.若林一郎の記憶違い、3.若林は昭和52年6月公演の知らせをもらったが、実際に聴きに行ったのは11月公演であった。
 今となっては、若林が言う「会場は新宿の大鳥神社から、明治通りを少し行ったところにあるホール」=「新宿区東京金属健保会館ホール(※新宿区歌舞伎町2-2-19)」(4月17日掲載の年表の冒頭を参照)と推測できるが、Googleマップ等で、現時点では「東京金属健保会館」を特定することすらできない。若林の『瞽女唄伝承』を素直に読めば、竹下玲子ら若林一郎一行の小林ハルの瞽女唄の最初の出会いは6月としなければならないだろう。
 年表作成者の高橋実氏に確認したが、「残念。今となっては資料確かめることができません。」との事であった。
 昭和52年に6月と11月の2回、小林ハルと山内雅人らとの公演があったのか、そして、その内容はどのようなものであったのか、共に不明である。ご存知の方がおられたら、ぜひお教えいただきたい。

 ちなみに※印で示した住所のソースは、「スタンド花、楽屋花、アレンジ花の配達専門サイト「開店祝い.com」。東京金属健保会館 TEL:03-3208-5211 住所:〒160-0021 新宿区歌舞伎町2-2-19「新宿区 東京金属健保会館へ公演祝い・出演祝いのお祝い花・スタンド花をお届けいたします。」と記載されている。
 ちなみにちなみに、TEL:03-3208-5211は、現在は「韓国外換銀行」です。間違い電話が多くて困っているとの事でした。

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