新潟日報社の御厚意により、本年9月7日付け新潟日報朝刊15面文化欄「アートピックス」に掲載されました、当会会長・鈴木昭英の文章を再掲いたします。
▼「越後長岡 語りの世界―昔話と瞽女唄―」(23日、長岡市千秋3の長岡リリックホール)
「民話文芸の本場 長岡再発見」
特定の内容をもつ物語を人に聞かせる「語り」には、「話語り」と「唄語り」がある。「話語り」は話しかけるようにして語るもので、昔話(民話)がそれである。「唄語り」は楽器の伴奏に合わせて歌い語るもので、瞽女(ごぜ)の口説節にその典型が見られる。
かつて長岡地方には、昔話を100話以上語る人が大勢おられ、昔話の宝庫であった。瞽女は、長岡瞽女の頭(かしら)が大工町(現長岡市日赤町)に住み、配下の瞽女が中越地方一帯に分散居住し、明治中頃には400人以上の大集団を形成、関東から東北まで旅をして人びとに多大の娯楽を提供した。
このイベントは長岡市芸術文化振興財団の市民企画公募型事業。第1部では40年近く前に昔話の語りを取り上げて作られた映画「雪国の夜語り」(マグマクリエイション制作)と、瞽女の旅稼ぎの姿を追ってBSN新潟放送が制作したテレビ番組映画「ごめんなんしょ瞽女の旅路(前編)」を観賞していただき、第2部はそれらの語りを伝承する「長岡民話の会」および「越後瞽女唄葛の葉会」の皆さんから得意とするところを語っていただく。
「話語り」にも「唄語り」にもそれ相応の語り方があり、定型を守りながらいかに雰囲気を醸し出していくのかという技術的な問題もある。それらを感じ取っていただくとともに、長岡地方が「語り」文芸の本場であり、発信基地でもあったことを認識していただければ幸いと思っている。
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