昔あったそうな。若いあねさがおもてへ出たら、年よりのきったなげの爺さが、
「乳が飲みてえ、乳が飲みてえ」
というて歩いているがだと。人はきったながってそっげの爺さに寄りつかんかったと。そのあねさは、
「かわいそげに、乳が飲みてえというているが、おらこには、どうせ、いっぺえ乳があるがだすけ、飲ましてやるが」
というて、乳飲ましてやったと。爺さは乳を飲ましてもろうたお礼に包(つつ)みもんをくれたと。その包みをあけてみたら、金がいっぺえはいっていた。いちがさけた。
■「越後の昔話 名人選」CD(全11枚)の頒布について■ |
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越後の昔話名人選CD |
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