あんじょ様(尼僧(あまそう))が托鉢(たくはつ)に行ったと。あんじょ様が、わらっじが切れたんだんがお地蔵様から一足(そく)もろうて、土佐の国から他の国にいこうと思うろも、いっくらあえんでも土佐の国ばっかぐるぐる回っていて、いっこう外へでらんねがだと。ほうしてまたしちゃ、お地蔵様に会ってばっかいたと。通る人に、そのわけをきいてみると、
「お地蔵様に、わらっじの金やったかい」
と聞くだと。
「やらね」
とあんじょ様がいうと、
「そっだすけ、同じどこばっかもうているがだ。値段(ねだん)が書かっているすけ、
やればいい」
というんだんが、地蔵様にあやまっておかね払(はら)ってからは、すぐ行こうと思うとこへ行がれた。土佐の国じゃ、お地蔵様が商いしていると。いんなそうらと。
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