2019年1月27日(日曜日)
午後1時30分〜3時40分
新潟県立歴史博物館 講堂
(長岡市関原町1丁目字権現堂2247番地2)
新潟県立歴史博物館の主催、にいがた文化遺産活用推進プロジェクトの関連イベントとして、新潟県立歴史博物館にて開催されました。
瞽女文化の面白さを学び、瞽女唄をたっぷり味わうことができる内容です。じっくりとお聴きください。
◆内容
○講演「聴き語り」の芸能―瞽女唄の現代的意義をめぐって―
講師 広瀬 浩二郎(国立民族学博物館准教授)
○瞽女唄演奏
演奏 室橋 光枝 (越後瞽女唄・葛の葉会)
須藤 鈴子 (越後瞽女唄・葛の葉会)
演 目 ・ 解 説 | 出 演 者 |
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「聴き語り」の芸能―瞽女唄の現代的意義をめぐって― 〈講師プロフィール〉広瀬浩二郎 (ひろせこうじろう) 1967年東京生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校卒業後、京都大学に進学。2000年同大大学院文学研究科にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、民俗学、触文化論。2001年より国立民族学博物館に勤務。現在は同館グローバル現象研究部准教授。著書に『障害者の宗教民俗学』(明石書店、1997年)、『ひとが優しい博物館―ユニバ一サル・ミュージアムの新展開』(青弓社、2016年)、『目に見えない世界を歩く―「全盲」のフィールドワーク』(平凡社、2017年)など。単に瞽女の歴史を研究するのみでなく、触覚や聴覚の可能性を再確認・再評価する体験プログラムなども各地で開催している。 ※当企画のチラシより転載 |
講演:広瀬浩二郎 「聴き語り」の芸能 を聴く 1時間1分23秒 mp3(56.2MB) |
門付け唄「岩室」 長岡瞽女が中越地方を旅するときに歌った門付け専用の唄。男女相愛の情を七・七・七・五の口語文であらわした都々逸風の唄。三味線の弦をゆるめ、ジャンコジャンコジャンコと低い音に合わせて歌う。文句の中にイヨという合の手が入るので、イヨ節と称する人もいた。 |
唄:室橋光枝・須藤鈴子 「岩室」 を聴く 1分28秒 mp3(1.35MB) |
民謡「正月祝い口説」 正月を寿ぐ唄。関東地方の雪のない地方を訪れた瞽女が七七調のめでたい唄を並べ立てて瞽女独特の口説き節で歌うもの。二言で一節をなし、間奏が入る。養蚕業の盛んな群馬県で要望が強く、正月には各家庭での蚕紙を神棚に供えてその年の宝饒を祈ったが、瞽女は招かれてその前で唄ったので「お棚口説」ともいわれた。 |
唄:須藤鈴子 「正月祝い口説」 を聴く 4分37秒 mp3(4.24MB) |
祭文松坂「石童丸」 祭文松坂「石童丸」は、説経節では「苅萱」の名で知られる五説経のひとつです。石童丸は筑前苅萱の領主加藤左衛門繁氏の子。遁世し高野山に上った父を母とともに尋ねます。女人禁制の山で、母を麓に残して、ひとり山に登り、父に会うのですが、石童丸は父の顔を知らず、繁氏は父であることを明かさずに帰してしまいます。麓に降りてみれば、母は病死して…。悲しい子別れと父子再開の物語。 |
唄:室橋光枝 「石童丸 一の段」 を聴く 28分11秒 mp3(25.8MB) 唄:須藤鈴子 「石童丸 二の段」 を聴く 21分13秒 mp3(19.4MB) |
発ち唄「伊勢音頭くずし」 一夜の宿を貸してくれた瞽女宿の主にお礼代わりに唄う。朝瞽女宿を発つ時にお世話になった宿の人のために唄われる「発ち唄(たちうた)」の一つであった。家の繁栄を祈るめでたい文句が喜ばれた為であろう。伊勢音頭は、三重県伊勢地方で生まれた民謡の総称。宇治山田市の古市の盆踊り唄や川崎音頭、農村の祝儀唄が母胎といわれるが、古市の遊郭で歌われ、文化(1804〜14)頃から有名になった。瞽女もよく歌った。 |
唄:室橋光枝 伊勢音頭くずし を聴く 2分47秒 mp3(2.56MB) |