三条瞽女唄公演のご報告
「小林ハル瞽女保存会(会長:霜鳥レイ子さん)」主催の瞽女唄公演会に葛の葉会の皆さんが「祭文松坂巡礼おつる」をメイン演目として語られました。その時の瞽女唄をアップしましたので、お聴きください。
日 時 平成29年5月20日(土)午前10時〜午前11時30分
会 場 三条東公民館(三条市興野1-13-70)
主 催 小林ハル瞽女保存会
出 演 越後瞽女唄・葛の葉会
演 目 ・ 解 説 | 出 演 者 |
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門付け唄「岩室」 長岡瞽女が中越地方を門付けするときに歌った専用の唄。三味線の弦をゆるめ、ジャンコジャンコジャンコと、低音で早めにして歌う。文句は、男女相愛の情を七七七五の口語文で表わす都々逸風のもの。文句の中にイヨという合いの手が入るのでイヨ節という人もいた。門付瞽女を最後まで勤めた金子セキ・中静ミサオさんは、民謡をこの曲節に合わせて門付けに歌うこともした。 |
唄:室橋光枝・須藤鈴子 岩室 を聴く 1分43秒 mp3(1.58MB) |
瞽女松坂 長岡瞽女が夏場に中越地方を門付するときは「岩室」を歌いましたが、冬場は雪が降り積もるから戸ごとに訪問する稼業は不可能でした。 親しくしている家や所望のある家だけ訪れ、部屋に上げてもらい、新年の挨拶をした後、家の繁栄と幸運を祈って歌いました。この習俗を「春語り」と称しますが、正月2日に出始め、2月末まで続けられました。その時歌われた代表的な唄がこの「瞽女松坂」。瞽女独特の正月の目出度さをことほぐ唄です。 |
唄:室橋光枝 瞽女松坂 を聴く 3分24秒 mp3(3.12MB) |
祭文松坂「阿波の徳島十郎兵衛」 ― 母娘出会いの場面 ― 浄瑠璃作家近松半二ら合作「傾城阿波の鳴門」の瞽女唄版。 阿波の十郎兵衛、主家の重宝・国次の名刀が紛失し、その詮議を逃れて、妻おゆみとともに大阪に出奔し、山賊渡世。娘おつるは巡礼姿になって、父母を尋ねて旅に出る。隠れ家に立ち寄るが、おゆみは母であることを明かさず、帰らせる。山道に入ったおつるに十郎兵衛が遭遇し、懐中から金を取ろうとして、殺してしまう。添えられた書付けは、国次の宝剣のありかが知られたので、立ち帰れとの母の筆跡。捕り手の衆を逃れ、おつるの遺体を背負い、おゆみとともに徳島目指して帰る。鳴門の渡りにさしかかると、後ろから「とと様かか様」と呼ぶおつるの声………。 |
唄:須藤鈴子 前半 を聴く 14分14秒 mp3(13.0MB) 唄:室橋光枝 後半 を聴く 14分48秒 mp3(15.5MB) |