期日:2024年6月9日(日曜日)
会場:アトリウム長岡
長岡市弓町1丁目5-1
開場:13時30分
開演:14時00分(15時30分終演予定)
参加費:1,000円
第18回春の瞽女唄公演のライブ録音をお聴きください。無形文化財・故小林ハル師の瞽女唄継承グループ越後瞽女唄・葛の葉会が語ります。
■今回のメイン演目のご紹介
<八百屋お七―忍びの段・火炙りの段―>
祭文松坂(段物)は、瞽女唄本領の語り物で、哀れ節を特長とする。七・五の一言(ひとこと)文句を数言で一節を構成し、間奏に三味線がはいって、次の節へ移るのがその唄い方。
「八百屋お七」は、江戸本郷の八百屋の娘お七が、天和3年(1683)放火の罪で火あぶりの刑に処せられた。井原西鶴が、その翌々年、浮世草子『好色五人女』にこのお七の事件を取り上げ、これを小説化して町娘のいちずな恋と可憐な娘心を描き出した。お七の悲恋と残酷な処刑の話は、元禄・宝永年間に歌祭文(うたざいもん)になって世に広まり、さらに歌舞伎、浄瑠璃にも取り上げられ、改作が重ねられた。
瞽女唄の「八百屋お七」は、紀海音(きのかいおん)作の浄瑠璃(世話物)の脚本に基づいている。「忍びの段」と「火炙りの段」が物語の山場であるが、「忍びの段」は、偶然、火事で避難した寺で会った小姓の吉三(きちざ)に恋い焦がれ、恋しい吉三に会うため、深夜、駒込寺の学寮に忍びこんで、契りを交わす激しい恋の場面。
「火炙りの段」は、年端もいかぬお七がまた火事を起こせば、再び吉三に会えるものと、吉三恋しい一心に、放火の大罪を犯す。白洲の前で年を若く言えば、その罪を免れるのに、正直に丙午生まれの十六歳と答え、鈴ヶ森で火炙りの刑に処せられる。火炙りの刑を目前に、両親や吉三との切ない別れの愁嘆場へと語りは展開する。
…
<飯坂小唄>
長岡瞽女で日本で最後まで門付けをしておりましたのは、三島郡越路町の岩田ご出身の瞽女、金子セキさん、中静ミサオさん、手引きの関谷ハナさんです。昭和52年の春まで門付けをして歩いたのですが、この最後の瞽女は「岩室」もやりましたが、民謡の「鹿児島小原節」「花笠音頭」「真室川音頭」やこの「飯坂小唄」を門付けに歌っておりました。
瞽女さんたちは民謡の替え歌をよく歌っていましたが、これも福島県の新民謡の替え歌となります。
【当日上演された演目】 ※下をクリックすると唄が聞けます
01.挨拶・瞽女唄解説(鈴木宏政)
02.門付け唄 岩室くずし(室橋光枝・小方理恵)
03.飯坂小唄(横川恵子)
04.[解説]今回演ずる八百屋お七について(横川恵子)
05.祭文松坂 八百屋お七 四の段 続・忍びの段(横川恵子)
06.[解説]次に演ずる八百屋お七・火炙りの段について(室橋光枝)
07.祭文松坂 八百屋お七 五の段 火炙りの段(室橋光枝)
08.[解説]次に演ずる八百屋お七・火炙りの段について(小方理恵)
09.祭文松坂 八百屋お七 五の段 火炙りの段(小方理恵)
10.[解説]発ち唄の説明(横川恵子)
11.伊勢音頭くずし(横川恵子(三味線)・室橋光枝・小方理恵)
12.閉会挨拶(鈴木宏政)
【出演】
瞽女唄:越後瞽女唄・葛の葉会 (室橋光枝・横川恵子・小方理恵)
解説:鈴木宏政(瞽女唄ネットワーク事務局長)