このたびは寄稿のお話を下さって、ありがとうございます。筑波大学4年生の松下純子と申します。拙い文章となってしまい恥ずかしい限りですが、どうぞよろしくお願いいたします。
瞽女さんの存在を知ったのは、三味線に興味を持ち図書館で調べていた時でした。以来調べるほどに瞽女唄の響きや瞽女さんの厳しくも美しい生き方に惹かれて行き、今回長岡で公演をされると知り、矢も盾もたまらず来た次第です。新潟へは小さい頃に来たのみで、物心がついてから来たのは今回が初めてでした。長岡の駅に降り立った時には、ついに瞽女さんの街に来られたのだという気持ちで胸が一杯になりました。
公演が始まると、唄と三味線の響きが空間に広がっていく様子に鳥肌が立ち、マイクを通さずとも会場全体に音が届くことに驚きました。リズムと響きに全身を包まれ、耳だけでなく五感全てで聴いているような感覚でした。祭文松坂「小栗判官照手姫」では不思議と情景がすんなり浮かび、物語の世界に入り込む心地よい感覚を覚えました。演奏者の方々の流れるような手の動きは非常に美しく、見惚れてしまいました。瞽女万歳「柱立て」では軽妙な言葉遊びにくすりとし、また見事な掛け合いに、生の演奏を聴くことができて良かったと改めて思いました。
文字や録音では伝えきれない文化を継承されている方々がいらっしゃることに感銘を受けます。演奏を聴ける場があることで、その時代の新たな感動が生まれると思います。文化を絶やさぬように活動を継続されている葛の葉会の皆様、そして瞽女唄ネットワークの皆様に非常な尊敬の念を抱きます。
知れば知るほど興味の湧く瞽女さんと瞽女唄です。大学の卒業論文では瞽女唄をテーマにしたいと考えております。長岡で瞽女唄を聴くことができたことは忘れられない経験となりました。これからも公演の場へ参りたいと思います。末筆ながら、皆様のますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。